この記事はSimutransAdventCalendar2025参加記事です。

とある非鉄オタSimutransプレイヤーは普段目にするような"四角い電車"を使いたくなった。
そして"四角い電車"のアドオンの難解な連結制限に触れ、もっと簡潔な"四角い電車"のアドオンが欲しいと思った。

しかし簡潔なアドオンが欲しいと思う鉄道知識のないプレイヤーはアドオンを作るほどの熱量を持たず、 アドオンを作る熱量を持つプレイヤーは簡潔なアドオンを必要としていない。

ないものは自分で作るしかないのだ。
供給の空白地帯に挑むため、非鉄オタの非鉄オタによる非鉄オタのためのアドオン制作が始まる…

こんにちは。暗参(くらみつ)と申します。
というわけで SimutransAdventCalendar2025 9日目は、私が現在制作中のアドオン「J-Trans」の予告紹介の記事となります。

J-Trans とは

J-Trans とは "非鉄道趣味者が扱いやすい現代日本風鉄道車両" をコンセプトにしたpak64向けのアドオンです。

鉄道車両の知識のないプレイヤーにとって非常に厄介な"連結制限"を簡潔化し、 連結の位置関係は「先頭車」「中間車」「後尾車」のみとしています。
これにより鉄道車両の知識がなくても気軽に列車を編成することができます!

全国的に展開する国鉄,JRの車両をモデルにしていますが、 様々な改変を含むため車両の名称(形式名)は忠実に再現せずあくまで架空車両としています。

近日公開予定のJ-Transの車両たち。全部で35種。

ほかにもいくつかの特徴があるので紹介していきます。

区分

数ある鉄道車両を非鉄道趣味者が使い分ける理由付けとして以下の6区分を設け、 それぞれに運用上の特徴を持たせるための性能調整をしています。

  • 単行形気動車
  • 近郊形気動車 (蓄電池車を含む)
  • 特急形気動車
  • 通勤形電車
  • 近郊形電車
  • 特急形電車

それぞれの詳しい特徴や性能は別途後述

カラーラインナップ

J-Transは2色のプレイヤーカラー(ゲーム内で選べる基調色と補助色)と固定の12色、 計14色のラインナップを予定しています。
路線ごとに色を決めて良い感じに遊べます。

固定色12色の単行形気動車たち。実在の路線カラーにとらわれずに遊べる。

車庫画面での列車編成時の分かりやすさを優先し先頭車から後尾車までは同色でのみ編成可能としています。
しかし後尾車の後ろには別の色の先頭車を連結させられます。

赤色の4両編成と青色の4両編成を連結させている。

側面の塗色パターンは区分ごとに統一しています。
pak64は表示が小さいので役立たないかもしれませんが、近づけばどの区分の列車か判別可能です。

2通りの日本語ファイル

日本語ファイルを2種用意しています。好みに合わせてどちらかを選んで利用できます。

微鉄版
"○○系"と形式番号での表示です。慣例に倣い気動車は"キハ○○系"となっています。
電車には クハ,モハ,サハ などの表記はしていません。
無鉄版
"○○系"ではなく自動車のような"○○ △代目"という愛称で表示し、後継機が分かりやすくなっています。

年代設定と世代交代

年代設定を有効にしたプレイを前提とし、各区分につき最低1形式を常に購入できるよう登場/引退年月を調整しています。

またSimutransでは古い車両を運用し続けることが可能なため、 新車購入や世代交代のきっかけ作りとして後継機の性能を少し良くしています。

121系が製造中止になると同時に後継機の123系が使用可能になる。

1958年登場の特急形電車と2010年登場の特急形電車。
最高速度が上昇するだけでなくMT比(動力車と付随車の比率)が向上しており、8両のうち1両を動力車から付随車にし 編成当たりの定員数を増やした例。

電化のゲーム性

J-Transは独自の解釈で気動車と電車の使い分けをゲームデザインとして取り入れています。

J-Transにおける電化,電車はコストが高い分、輸送力に優れるという性質です。
現実では輸送力増強とコスト低下を実現できる電化,電車ですが、 J-Transではより効率的に混雑解消をするためにコストを払う構図になります。

上から2020年代の近郊形気動車、近郊形電車、通勤形電車。
同じ長さで定員数やコスト、最高速度に違いがある。

電車の中間車には動力のある中間動力車と、動力のない中間付随車があります。
中間付随車は編成する利点として中間動力車より定員数が多くなっており、 付随車を増やして定員数を取るか、動力車を増やして加速や登坂の余力を取るか、 路線の事情によって柔軟に対応できる仕様となっています。

各区分の特徴,性能

単行形気動車
先頭車,中間車,後尾車の概念がなく1両で運用可能な区分。
購入費やコストが安く、序盤や閑散路線向け。
連結制限がなく貨車や機関車とも連結が可能。1両あたり20t分の牽引の余力がある。
近郊形気動車
単行形気動車より定員数,速度ともに少し優れ、非電化路線の主力となる(ことが期待されている)区分。
先頭車の前,後尾車の後ろに連結制限がなく、貨車や機関車とも連結が可能。1両あたり12t分の牽引の余力がある。
特急形気動車
非電化路線向けの高速列車であり、かつ山間部向けの区分。
車体傾斜式車両をモチーフとし、カーブや登坂の多い区間を走行できるよう出力に大幅に余裕を持たせている。
この区分の専用車種として「2階建て車(個室寝台)」があり、 定員数は少ないがコストもとても低いため蛇行する長距離路線でも収益性を強化可能。
乗降時間が長め。
通勤形電車
短距離向け大量輸送に特化した区分。
都心の満員電車をモチーフとし乗車率200%超に相当する定員数を誇るがコストが高く速度も速くない。
乗降時間が少し長め。
近郊形電車
電化路線で幅広く運用できる区分。
近郊形気動車より大幅にコストが高いが、定員数,最高速度ともに上回る。
(趣味者向け:近郊形気動車を架線下運用することで擬似的な急行形として運用可能)
特急形電車
電化路線向けの高速列車で、6区分で最も最高速度の高い区分。
この区分の専用車種として「2階建て車(座席)」があり、コストは高いがより多くの定員数を持つ。
乗降時間が長め。
単行形郵便車(おまけ)
1両で運用可能な郵便車。
乗降時間が長め。
単行形気動車と同型の郵便車には連結制限がないが、近郊形気動車に合わせて最高速度を上げた分牽引の余力は低下している。
通勤形電車,近郊形電車と同型の郵便車は同型とのみ連結可能。
J-Transの将来的な計画には郵便用の高速列車の構想があり、 これらの郵便車は鉄道郵便輸送の主力ではなくおまけだと承知の上でご利用ください。

その他

前後対称
特に電車ではパンタグラフの位置が異なるだけの差分を用意して前後対称な列車を編成できるようにしています。
前後対称の列車が駅で折り返す時に自然に見えたらいいなと思っています。
特急形の前面デザイン
調べていて知ったのですが、普通電車みたいな四角い特急形の車両が結構あります。
特急形に一目でわかる特別感を与えるため、モデルが四角くい場合にはむりやり流線型にしています。

進捗状況と今後

進捗状況

現在、制作はほほんど終了しており性能バランスの最終チェックを行っています。
当初は年内の公開を目標にしていましたが、難しそうなので年度内の公開を目標とします。

今後

J-Transは国鉄,JRの全国の主要と思われる形式を実装予定ですが、 JR化後の形式については数が多くなるため各社から1区分ずつを選抜という形で先行で実装し、残りは優先順位を下げる予定です。

というのも、J-Transは "非鉄道趣味者が扱いやすい現代日本風鉄道車両" をコンセプトとして始動しましたが、 現在では同一の設計思想のもとで機関車,客車,貨車,郵便専用高速列車,バス,トラック,モノレール,路面電車を制作し、 性能がバラバラで少し遊びづらい状態を整えられる総合アドオン群にするという壮大な構想に発展しています。
(投げだしたらごめんね)

現代鉄道旅客輸送の部は本作をもって"一旦遊べる形として揃った"とみなし、 次は近代鉄道旅客輸送の部として旅客向け機関車,客車,旧型国電の制作を予定しています。
これが完成するとデフォルトのゲーム開始年である1930年から通して鉄道旅客輸送をJ-Transのみで遊べることになります。

アドオン作ってみた感想

非鉄オタクが鉄道車両について調べ、情報を取捨選択,整理し、バランスや遊びやすさを考慮しながら設計,制作するのは本当に大変でした。
去年の10月から制作を開始しこの年末を越したら足掛け3年、 アドオン処女作にしては大作になってしまいましたがようやく公開できそうで既に感無量です。

大変だった分、今までにない新しいタイプのアドオンになっていると思います。
「カジュアルに輸送を楽しみたいけどぬるすぎるのは避けたい」「少し味変したい」というpak64プレイヤーの方がいらしたら ぜひ導入して遊んでみてもらえたら嬉しいです。

遊んでみた感想やスクショ、ご意見などもお待ちしています。

このアドオンの制作を機に、非鉄道趣味者向けの布教/実況動画なども作ってみたくなっています。
使うあてもなくただ欲しくて買った、未だインストールすらしていないA.I.VOICE2結月ゆかりに出番を…!!

(終)